大阪高等裁判所 昭和26年(う)1524号 判決
論旨は原判決は同一麻薬の譲受と所持とを別個独立の犯罪として併合罪の関係にあるとしているけれども、譲受には通常所持が伴うものであるから、所持は譲受に吸收され別罪を構成するものではないと主張するのである。しかし麻薬の譲受を処罰するのは動的な行為を対象とするものであり、麻薬の所持を処罰するのは静的な行為を対象とするものであつて、その取締の目的と法益とを異にするから、前者に当然伴う麻薬の握持行為は前者に吸收され特に所持として罰すべきものではないが、本件においては被告人は肩書自宅において麻薬を譲受けた上、これを押入れ内で釜の木造蓋の穴のなかに隠匿所持していたと云うのであるから、所持はその方法態様からみて譲受に当然随伴する麻薬の握持行為とは認め難く、独立した別罪を構成するものと解するを相当とする
論旨は理由がない。